RS Mixture 9.6E:概要

RemyStem には多くのエクソソームが含有されていますが、別ラインで製造したエクソソームを添加することにより全成分表示でエクソソームの表示を可能にしました。

RS Mixture 9.6E:開発の経緯

現在、ヒト幹細胞培養液に含まれている成分で最も重要とされているエクソソームは、医療業界や美容業界にて大変注目を集めています。

エクソソームはそれ自身が持つ高い美容への効果だけではなく、高い皮膚への浸透性、リバースエイジング(若返り)効果、ドラッグデリバリーなどの多くの機能が確認されているとともに、それらの機能性を求める消費者のニーズも高まってきていることから、化粧品業界での需要も高まってきています。しかし、エクソソームを単離させて原料として供給するには莫大なコストがかかるとともに、仮に単離後にフリーズドライや冷凍にしてしまうと活性が落ち不活化してしまう懸念があります。これらを解決したものがヒト幹細胞培養液にエクソソームを添加した原料RS Mixture 9.6E です。

RS Mixture 9.6E は冷凍やフリーズドライにしていない液体のため活性が高く、液体であることから美容液や美容機器を用いる導入剤、プロ用商材など様々な処方にお使いいただけます。さらに、化粧品の全成分表示にエクソソームが使えることから、消費者への大きなアピールに繋がります。

RS Mixture 9.6EとRemyStemのエクソソーム数

エクソソーム1%添加で含有エクソソームが大幅に増加
エクソソーム粒子をカウントするナノトラッキング解析にてRS Mixture9.6E はRemyStemよりも約1.4倍ものエクソソームを含有していることがわかりました。これは凝縮されたエクソソームを後から1%添加しているため、1%という濃度でもエクソソームが約1.4倍という結果になっています。

さらに詳しくRS Mixture 9.6EとRemyStemのエクソソーム数を比較するため、エクソソームの表面に発現しているエクソソーム特有のタンパクであるCD9, CD63を用いてELISA解析を行いました。その結果CD9の値は、RSMixture 9.6EはRemyStemに対して約2.6倍、CD63の値は約2.7倍もの差があることがわかりました。

こちらの解析でも、RS Mixture 9.6EはRemyStemよりも多くのエクソソームを含んでいることがわかりました。RS Mixture 9.6E はエクソソームを1%添加しただけで、RemyStemよりも2倍以上のエクソソームを含んでいることが示唆されました。

エクソソームとは

エクソソームというのは、細胞が作る小さなカプセルのようなもので、細胞と細胞の間で情報伝達に使われており、医学や美容分野で盛んに研究されています。弊社が原料を輸入しているRemyBio社はヒト幹細胞培養液に特化した研究・製品開発を行なっていく中で、このエクソソームに注目し、エクソソームを豊富に含むヒト幹細胞培養液を製造するための培養法を確立しました。

このヒト幹細胞培養液の有効成分にはEGFやFGFといった成長因子やペプチドが含まれていますが、その中の主役はエクソソームなのではないかと言われています。特にヒト脂肪由来幹細胞が作るエクソソームには細胞を若返らせる機能があることを示唆する実験結果があります。

RemyBio社製のヒト幹細胞培養液には、この細胞の若返り効果を持つエクソソームを確実に含んでいることが確認されています。

 

エクソソームを分泌させる条件

エクソソームは、幹細胞が分泌する小胞ですが、幹細胞の培養条件によって内包される情報や分泌量に大きな違いがあります。

RemyBio社は優れた無血清培地を構築することで、幹細胞の培養方式としては難しいローリングボトルでの幹細胞培養を行っています。このローリングボトルによる培養は、エクソソームやサイトカインの分泌を促し、通常のフラスコなどの培養と比較して、有効成分を大量に含む幹細胞培養液の製造を可能にしています。

同じ細胞数、培地、培養期間にて培養を行った結果、ローリングボトル培養はフラスコ培養に比べ、培養液に含まれるたんぱく質、エクソソーム数が約10倍になりました。RemyBio社ではこのような培養を行うことにより、化粧品の配合に特化した原料を供給することができます。