StemCell Exos ome
エクソソーム は細胞が分泌する細胞間の情報伝達に使用される小胞です。間葉系幹細胞が分泌するステムセル・エクソソームには、高い創傷治癒効果があることが知られています。
エクソソームはリン脂質の膜の内部にRNAの断片や創傷治癒を促すタンパク質などの情報伝達物質が内包されています。膜の表面には様々なタンパク質が発現しており、必要な細胞のレセプタにリガンドとして結合したり、CD47という抗原によって免疫細胞の攻撃を抑制するため、体内で長く存在し、必要な細胞に確実に情報伝達を行うことができます。
Hybrid Exosome RemyEV
エクソソームの外側の膜はリン脂質なので、ヒト幹細胞培養液のリポソームと近い材質・構造となっています。それを利用してエクソソームと幹細胞培養液のリポソームを融合した化粧品原料がRemyEVです。
内部にはエクソソームが元々持つ情報に加え、ヒト幹細胞培養液が持つ情報も内包されており、必要な細胞に、必要な情報を確実に伝えることができる優れたDDS機能を持つ化粧品原料です。
Liposome, Exosome, Hybrid Exosomeの電子顕微鏡写真
RemyStemのリポソームは約100nm前後に調整されています。RemyBioの幹細胞培養条件下でのエクソソームも同様に約100nm前後となっています。それらを融合することで約100nmのハイブリッドエクソソームを生成します。
RemyEVはマイクロ流体技術を用いて、化粧品原料として効率的に安定的に製造されています。
Exosomeを分泌させる培養条件
エクソソームは、幹細胞が分泌する小胞ですが、幹細胞の培養条件によって内包される情報や分泌量に大きな違いがあります。
RemyBioは優れた無血清培地を構築することで、幹細胞の培養方式としては難しいローリングボトルでの幹細胞培養を行っています。このローリングボトルによる培養は、エクソソームやサイトカインの分泌を促し、通常のフラスコなどの培養と比較して、有効成分を大量に含む幹細胞培養液の製造を可能にしています。
また、この資料にあるエクソソームのデータは、この培養条件によって分泌されたエクソソームによるものであり、別の培養条件で分泌されたエクソソームに、同様の効果があるかは確認されていません。
Exosomeのリバースエイジング効果
RemyStemの培養条件で幹細胞から分泌されたエクソソームは、紫外線によって光老化した線維芽細胞を若返らせることが、実験によって検証されています。
培養している線維芽細胞(❶ Young)に紫外線を照射することで、光老化を誘導します(❷ Negative)。老化した線維芽細胞は、肥大・扁平化し、細胞分裂を停止します。このとき細胞内では細胞老化のマーカー、SA-β-ガラクトシダーゼが生成されています(Negativeの青く染色された部分)。この確実に老化した線維芽細胞にRemyStemを添加するとSA-β-ガラクトシダーゼが減少し、線維芽細胞は細胞分裂を開始します(❸RemyStem)。
RemyStemはサイトカインを始めとした様々な機能性成分を含有しています。この実験で一度老化した線維芽細胞を若返らせた成分が何であるかを検証するため、様々な成分を阻害したとき、RemyStemに含まれるエクソソームのmiRNAを阻害したとき、 SA-β-ガラクトシダーゼが減少しませんでした(❹ miRNA Inhibitor)。このことから、老化した線維芽細胞を若返らせたリバースエイジング成分は、RemyStemに含まれるエクソソームであることが確認されました。
抗シワ効果、アンチエイジング効果:コラーゲン生合成/線維芽細胞増殖
ステムセル・エクソソームのヒト線維芽細胞のコラーゲン産生誘導能と増殖誘導効果を確認した結果、ステムセル・エクソソームは線維芽細胞の増殖と皮膚組織ECM の主要成分であるコラーゲン生合成を増加させ、シワ改善、抗老化などの効果を期待することができます。
肌バリアの強化:ケラチノサイトの増殖
ステムセル・エクソソームのヒト角質細胞HaCaT の増殖効果をWST-1 assay で確認したところ、ステムセル・エクソソームは角質細胞の増殖を陽性対照群である血清(FBS)処理群と同じくらい有意に増加させました。肌バリアの強化などの効果を期待することができます。
肌バリアの強化:ケラチノサイトの遊走
ステムセル・エクソソームによるヒト角質細胞HaCaT の遊走誘導効果をSingle Cell Tracking System で確認したところ、ステムセル・エクソソームは角質細胞の移動速度を血清対照群と比較して有意に増加させました。皮膚の再生などの肌バリアの改善が期待できます。
酸化ストレスからの保護
ヒト角質細胞にH2O2を処理し、人為的なROS暴露モデルを作成し、ROSによる細胞毒性の程度を確認した結果、ステムセル・エクソソーム処理群は、oxidative stressに抵抗する優れた抗酸化効果を示しました。
ROSが主な原因である光老化、生物学的老化の改善などの臨床的効果が期待できます。
※ここまではHybrid Exosomeのデータではなく、RemyEVに用いられるエクソソームによるデータです。
Hybrid Exosome「RemyEV-3」のヒト臨床試験結果
製剤化されRemyEVの状態になったエクソソームは、in vitroでの試験が難しいため、ヒト臨床試験を行いました。2020年2月10日から4月10日に女性
25人を対象に、RemyEVを5%含有するクリームを朝夕1日2回4週間塗布し、シワや肌の明るさに対しての改善を検証しました。
最終的に個人的理由から4名がドロップアウトし、21名での試験を終了しましたが、シワについては全体の寸法、深さ、幅、最大の深さについて測定し、すべての項目で、統計的有意差をもって改善が確認され、皮膚の明るさについても、肌の明るさを示すL値が有意差をもって改善しました。
Hybrid Exosome「RemyEV-3」のシワに対するヒト臨床試験結果
目の周辺のシワ変数別測定値を分析した結果、全体寸法の値は、適用前に比べて適用2週間後、適用4週間後に、それぞれ10.590%、13.951%統計的有意差(p<0.001)をもって減少しました。深さについては、適用前に比べて適用2週間後、適用4週間後に、それぞれ4.966%、7.623%統計的有意差(p<0.05)をもって減少しました。幅は、適用前に比べて適用2週間後、適用4週間後、それぞれ4.055%、3.835%統計的有意差(p<0.05)をもって減少を示しました。
また、最大の深さの値は、適用前に比べて適用4週間後、統計的に有意水準(p<0.01)に減少しており、9.395%の減少率を示しました。
したがって、RemyEVを5%含有するクリームは適用2週間後、適用4週間後、目の周辺のシワ改善に効果を与えるものと判断されました。
Hybrid Exosome「RemyEV-3」の肌の明るさに対するヒト臨床試験結果
頰部位の肌の明るさL*値を分析した結果、適用前に比べて適用2週間後、適用4週間後に、それぞれ0.837%、0.799%統計的有意差(p<0.05)をもって増加しました。
したがって、RemyEVを5%含有するクリームは適用2週間後、適用4週間後、肌の明るさ改善に効果があると判断されました。